表紙 前文 琉球国紀:原文 琉球国紀:現代語訳 15世紀の琉球語



緒言

 

 

 「海東諸国紀」は、朝鮮王朝最高の知識人である申叔舟(シンスクチュ)が王命で1471年に編集した書である。その中に琉球王国の歴史・地理・風俗・言語を記述したものが収録されている。私は、岩波文庫:田中健夫訳注「海東諸国紀」を参考にして琉球に関する部分を現代語に訳した。申叔舟(シンスクチュ)は李氏朝鮮四代国王・世宗(セジョン)のもとで領議政(ヨンイジョン)[総理大臣]を務めた政治家であり、また当時の東アジア最高の知識人である。申叔舟(シンスクチュ)は日本に訪問した経験があり、中国語・日本語・ウィグル語が堪能である。また、世宗(セジョン)のハングル作成にもかかわった。琉球語は1501年に朝鮮滞在中の琉球の使節からの聴き取りによるものである。琉球語がハングルで記述されており、15世紀の琉球語がどのようなものであったのかを知る貴重な資料である。ハングルは発音記号のようなものであり、発音を正確に記述するのに非常に適した文字である。このような資料を残して頂いた朝鮮民族にたいして深く感謝すべきであり、われわれ沖縄人は琉球の歴史・琉球文化・琉球語にもっともっと関心をもたなければならない考える。

 

 申叔舟(シンスクチュ)が登場する韓国の時代劇ドラマを紹介する。「大王世宗」、「王と妃」、「王女の男」、「王と私」など。ちなみに私は韓国の女優では、キムテヒとムンジェウォンのファンである。